はばたき情報局

ときメモGSシリーズに関するあれこれ(攻略情報・小ネタ・考察など)を発信!

【葉月珪】「家族と携帯電話」イベントから誕生日のセリフを考察する

10月16日GS1の王子キャラ葉月珪くんの誕生日です!!
久しぶりに葉月君の生誕祝いのSSを書いていたところ、誕生日の彼のセリフにいろいろと思うところが出てきたので勢いで考察もしてしまおう!と思い立ち、記事を書き始めました笑

葉月君くんの誕生日セリフのどこにそんなパワーがあるか、というと……

 

「……おまえが生まれた特別な日だろ」

 

です!これしかないです!!(?)

このセリフの破壊力はもう説明するまでもないと思います。
本当に、とても素敵なセリフですよね。

でも、普段の葉月君とこのセリフにどことなく”ちぐはぐさ”を感じている自分もいました。
なぜ、普段誕生日をはじめ各種イベントごとに対し興味なさそうにしている彼が、主人公の誕生日を祝うときにこんな素敵なセリフが出てくるのか…。

そこで、私はその謎を解明するために、葉月君の学校でのイベント「家族と携帯電話」に着目しました。ここから考察してみると、あのロマンチックなセリフに説得力が出てくるように思いました。

今回も私の勝手な解釈になりますので、そこだけご容赦ください。

 

文化祭準備期間に文化祭準備のコマンドを実行すると見れる「家族と携帯電話」イベント。このイベントでは、葉月君が屋上で親と電話をしている様子を見ることができます。

まずは、イベントの内容を振り返ってみましょう。

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主:(ハァ、ちょっと疲れちゃった。屋上で、外の空気でも吸って来ようっと。)
主:(あれ?あそこにいるの……。)
葉:……ああ、聞いてる。今年は母さんも向こうだって……。 ……大丈夫、こっちはこっちで楽しくやるよ……仕事、うまくいってるんでしょ?……いいよ、いつものことだし……。………………。ゴメン、そういう意味じゃ……。とにかく、気にしないでいいよ。……ああ、父さんもね。じゃあ、もう切るよ……。
主:葉月くん?
葉:……あっ……おまえか。
主:今の、もしかしてお父さん?
葉:……聞いてたのか?
主:ごめん……でも葉月くん、家族の人と話してると、いつもと印象が違うんだね。
葉:……そうか?
主:うん、なんか”イイ子”っていう感じで、意外だった。………………。ちょっと、寂しそうにも見えた……かな。
葉:……考えすぎだろ。……ほら、行くぞ。文化祭、いろいろやることあるだろ?おまえ。
主:う、うん。

 

はい、このような感じです。
葉月君はどうやら離れて暮らしているお父さんと電話をしているようです。

このやり取りから葉月君と親との関係性がなんとなく見えてきます。
葉月君の両親は海外で暮らしているようです。父親は建築家として、母親はバイオリニストとしてそれぞれ海外を転々としており、父親・母親そして葉月君、家族全員バラバラで生活をしています。

 

電話中の葉月君のセリフを見ると、どうやら寂しい思いをしているように感じます。

 

「……大丈夫、こっちはこっちで楽しくやるよ……仕事、うまくいってるんでしょ?」

⇒父親の仕事が上手くいっている様子。心配かけないようにと、こっちもこっちで楽しく過ごすよと葉月君が伝えています。

 

「いいよ、いつものことだし……」

⇒家族が離れ離れになって生活するというスタイルは結構長い様子。だから、このセリフによって「もうこの生活には慣れているから大丈夫」と暗に伝え、葉月君は両親を安心させようとしています。

 

「………………。ゴメン、そういう意味じゃ……。とにかく、気にしないでいいよ。」

⇒沈黙が多いですね。おそらく父親の話を聞いているのでしょう。「ゴメン、そういう意味じゃ」と言っているので、父親は葉月君が寂しい思いをしているのを察している様子。「いいよ、いつものことだし」という言い方が気になったのだと思います。「いつものことだし」という表現は、父親への配慮の言葉でもありつつ、「いつものことだから大丈夫」と葉月君が”自分自身に言い聞かせている”言葉でもあると捉えることができます。

 

これらのセリフから、主人公が指摘したように、葉月君は両親に対して「イイ子」を演じていると察することができます。
これが本当に「イイ子」を演じていたのだとするならば、葉月君は自分の気持ちを抑え込んでいたという事になります。
葉月君の本当の気持ち…とは…「両親と一緒に過ごしたい」というところだと思います。でも、葉月君は両親に心配かけないように本音を隠すのです。そしてもう一つ、葉月君は自分が傷つくのを防ぐために本音を隠しているとも言えるのではないでしょうか。

 

仮に「一緒に過ごしたい」と本音を打ち明けたとしたらどうなるでしょう。
父親も母親も葉月君の気持ちを尊重して仕事を中断し、はばたき市に帰ってくるかもしれません。でもそれは、彼らの仕事と今まで培ってきた信頼を大きく失うことを意味します。それは葉月君にとっては本意ではないでしょう。仮に願いが叶って一緒に暮らせたとしても、自分のせいで親の人生をめちゃくちゃにしてしまうという罪悪感が一生つきまとうことになると思います。

また、「本当におまえには申し訳ないけど、どうしても外せない仕事があるから」と言われてしまうことも考えられます。そうすると、仕事が大事なことは理解できても、「仕事>自分」という比較をどうしてもしてしまい、自分自身を傷つけてしまうことになります。

 

どちらにしても、自分を必要以上に苦しめてしまうことになりますね。

 

だから、自分を傷つけないように、はじめから「イイ子」のふりをして、「何とも思ってない」ような態度をとっているのです。

 

この親子関係から、葉月君は無意識に自分が必要以上に傷つかないようにする選択を普段からしているのだと思います。

 

いつも一人で過ごして友達を作ろうとしないのも、自分の誕生日なんて興味がないという感じで過ごしているのも…これは、本当に友達や誕生日に興味がないのではなく、友達や誕生日に期待をしてしまうことによって、その分深く傷ついてしまうのを防ぐためなのかもしれない、と私は思いました。

 

ときめき状態の時の葉月くん自身の誕生日の会話にも触れておきます。
プレゼントを持ってきてニヤニヤしている主人公、葉月君の誕生日を「特別な日」と表現する主人公に対し、葉月君は「ヘンな奴だな」と言います。
これは、主人公がストレートに感情を出して、そして思っていることを恥ずかしげもなく言ってしまう事に対して「ヘン」だと言っているのだと思いました。

葉月君自身はいつも感情を隠して、相手が傷つかないような言葉を選ぶ傾向にあります。感情や自分の思いをストレートに表現することは、時に相手を困らせてしまうリスクが伴うからです。

でも、それを主人公はさらっとやってのけるのです。そして、主人公がこうやって自分の思いや感情を自由に表現していても、葉月君は困るどころか、心地よい気持ちになるのです。その感覚が不思議で主人公のことを「ヘンな奴」と表現しているのではないかと私は考えています。

 

以上のことを踏まえてから、葉月君の

「……おまえが生まれた特別な日だろ」

というセリフを見てみると、なんか違和感が消えませんか??
これは好感度が好き以上の時にだけ聞けるセリフです。
自然体で接してくれる主人公に対して、葉月君も自分の気持ちを素直に表現しようとしたのだと思いますし、さらに、そもそも誕生日に興味がないのではなく、誕生日を「特別な日」といえるほど、誕生日を祝いあう事に憧れを持っていたのだと思います。

ああ……葉月君ってクールに見えて、とても人間的ですごく魅力的なんだな、と思わされます。

 

というわけで、今回の考察は以上となります。

葉月君の「……おまえが生まれた特別な日だろ」というセリフと彼の人間的な魅力が少しでも伝わったなら幸いです。

葉月君誕生日おめでとう!!
あなたがいてくれて幸せになれた人は沢山いると思います。

それくらいあなたは特別な人間ですし、あなたがこの世に生を授かったのはとても素晴らしいことで、誕生日は間違いなく「特別な日」です。

誕生日は「1年間無事生きていてくれてありがとう」という意味も込められています。
私たちは忘れてしまいがちになるのですが、無事に1年過ごすことができることは当たり前ではありません。すごく特別な事です。

そんな日は大切な人と盛大にお祝いしたいですね。

 

私も、彼の生誕記念で今回久しぶりにSSを書きました。
拙作ですが、自分なりの今回の考察をSSとして表現してみました。
pixiv( ID : user_epmk5845 )とTwitter(@key_habataki )にあげていますので、ぜひ、読んでみてください。(Twitterの方は誤字がありますm(__)m)
Twitterのフォローもご自由にどうぞ。

では!!

 

 

【テスト完全攻略】1年目1学期の期末テストで満点を取って”葉月珪”に勝つ方法

目次

 

1.1年目1学期の期末テストで満点を取る方法

今回は、攻略お役立ち情報として、1年目1学期のテストから学年1位をとる方法を書いていこうと思います。

テストで立ちはだかる高い壁…葉月珪君(居眠りしなければ)。いやそもそも、普通にやってたら守村君や有沢さんにも勝てない…と言う方が多いのではないでしょうか。

休日に外出・デートもせず、占いを気にしながら休まずにひたすらパラメータを満遍なくあげても…

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😨😨😨

このように大体400点前後の点に落ち着いてしまうと思います。葉月君に勝って1年目の最初のテストから学年1位を取るなんて、夢のまた夢…と思えてきますよね。

 

しかしながら、GS史上最高の学力(先生・隠しは除く)を誇る、葉月珪に勝ち、更には最初のテストからオール満点を取る方法が存在します!

攻略本を読み込み、Excelで計算・実証していった結果、1年目の1学期のテストで学年1位、しかもオール満点を取れる方法が見つかりました!!

手順は非常に簡単で、リロードもそこまで必要としないため、手順さえ頭に入っていれば、ほぼストレスなく初心者の方でもできるかと思います。

 

まず、結論から述べると、オール満点を取るためにやることは2つだけ

  1. 学力が80になるまで勉強コマンドを実行する。
  2. 手芸部に入り、気配り80以上を目指す。
    (※順序は逆でも大丈夫です。先に気配りから上げても構いません)

 

これなら、すぐにできそうな気がしますよね!?

本当にこれだけです。この方法でリロードせずにやってみた結果、こうなりました。

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はい。こんな感じになりました…!
満点ではないけれども、1位!!
学力と気配りパラも80を超えていますね。

ただ、リロードなしだと成功率によっては470~480点くらいになり、成績上位組に負ける場合もあります。

そこで、確実に1位をとるために推奨したいことが3点あります。それは以下の通りです。

  1. 部屋を「運動タイプ」にする。
  2. 血液型を「A型」or「B型」で始める。(優先度低)
  3. リロードを行い、休日だけでも全て成功させる。

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この3点です!!

血液型と部屋に関しては、初期設定をいじるだけなので簡単ですよね。
詳しい解説は後でしますが、この攻略をするにあたって、どうしても気配りパラが不足しがちになります。部屋を運動タイプにすることで、気配りパラの初期値を少し上げることができます。また、優先度は低いのですが、A型とB型は占いで絶不調が一番少ない血液型になり、勉強・手芸コマンドのみを行う[勉強]の運勢に頼りっぱなしなこの攻略では、絶不調が少なくなることで、総合的なコマンド成功率を上げやすくでき、面倒なリロード回数を減らす効果が期待できます。
リロードは少々面倒ですが、休日だけでも確実に行ってもらえたらと思います。休日は基本的に出会いイベントや下校イベントが発生しないのでリロードの負担は少ないかと思います(出会いイベントや学校行事などを挟む平日のリロードは苦行)。休日のパラメータ上昇は、平日(1日)の4倍の効果があるので、ここを逃すのはもったいないです。

 

というわけで、初期設定を気を付けて、休日のコマンドを全て成功させた場合の結果がこれになります☟

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はい、オール満点、正真正銘の1位です。気配りと芸術に関しては90を超えており、ちょっと余裕すら感じてしまいます。

 

いかがでしたでしょうか。これが、1年目1学期のテストで満点を取る方法です。うまくいけば1回くらいならデートを挟めるかと思います。平日のコマンド成功率も厳選(オールピンポン)すれば、2回くらいデートできるかもしれません。

正直、これ以外のやり方はおそらくないと思います。いろいろな方法を考えてみたのですが、どう頑張っても気配りが足りなくなります。後で解説しますが、手芸部の性能が素晴らしすぎます。気配りが大幅に上がる上に、全体のパラメータ上昇値も他のコマンドと比べてトップの性能を誇ります。もうこれを活用するしかありません。

 

1学期で1位を取れたら、あとは占いに沿って全てのパラメータを満遍なく上げていってもらったらOKです。下手なことをしなければ3年間常に主席のまま卒業することができます!!ぜひお試しあれ☆

 

それでは、ここからこの攻略法についてより詳しい解説をしていきます。

ときメモ攻略班(玄人)の方は楽しめるかと思いますので、ぜひご覧ください笑

 

2.満点攻略の全貌を詳しく解説します(玄人向け)

2-1.なぜ学力と気配りを優先して上げるのか。

今回の手順では、学力と気配りを80以上にしようという事しか書きませんでした。正直、他のパラメータはあまり気にしなくても大丈夫です。

テストに関わるパラメータを見ていきます(基本点)

語学 学力×100%
数学 学力×80%+気配り×20%
選択 流行×60%+学力×40%
芸術 芸術×90%+魅力×10%
技術家庭科 気配り×80%+運動×20%

 この表を見ていただいたらなんとなくわかると思うのですが、学力と気配りがかなりの配分を占めていますよね?テストの半分以上は学力気配りのパラメータに関わってきます。だから、学力と気配りを優先して気にしながら上げていくのです。
でも、流行と芸術も結構大事じゃない??という声も上がると思います。もちろんその通りです。試験で満点を取ろうと思えば、流行と芸術パラもある程度必要になってきます。(※ちなみに、魅力と運動が低くても、他のパラが80を超えていたら魅力・運動分を補完してくれます。技術家庭科では気配りが90ほどあれば、運動の20%分を帳消しにしてもらえる、というわけです。)
そこで、今回実行する勉強、手芸コマンドのパラメータ増減値を見てみましょう。

  学力 芸術 運動 気配り 流行 魅力 ストレス
勉強 0.7 0.4 -0.3 0 0.1 -0.1 0.8
手芸部 0 0.4 -0.4 0.8 0.4 -0.2 0.4

はい。これでお気付きかと思います。勉強と手芸部、どちらのコマンドでも芸術と流行パラが程よいバランスで上がっていきます。だから、学力と気配りだけに集中してOKなのです(もちろん、微調整したい方は芸術と流行を気にしながら勉強と手芸コマンドどちらを優先するか決めてもらって大丈夫です)。

 

では、次になぜ手芸部でなければならないのかをお伝えします。

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気配りをあげるコマンドは、運動と各種クラブ活動、女の子と遊ぶコマンドになります。中でも、野球部と手芸部の気配り上昇値が「0.8」と大きいです。ただ、野球部は芸術と流行が若干下がるので、選択・芸術科目の点数を保証することができません。そのため、手芸部一択となります。女の子と遊ぶコマンドも気配り上昇値が「0.6」とそれなりに上がるのですが、全体のパラ増減値を見てみるとコストパフォーマンスがあまりよくありません。しかも、「0.6」の上り幅では気配りが必要な水準まで上がりません。

  学力 芸術 運動 気配り 流行 魅力 合計値
紺野さん -0.1 -0.1 0.4 0.6 0.1 0 0.7
手芸部 0 0.4 -0.2 0.8 0.4 -0.2 1.2
野球部 0 -0.1 0.5 0.8 -0.1 -0.2 0.9

 

「女の子と遊ぶ」コマンドの各パラメータの値を足すと「0.7」になります。対して、手芸部は「1.2」と高水準。また、手芸部はクラブ活動の中でも高水準で、なぜか他の運動部・文化部と比べても、一番トータルの上り幅が良いクラブになっています。ちょっとチート級です笑

手芸部でなくてはならない理由、これでよく分かったと思います。

 

2-2.部屋を「運動タイプ」にする理由

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部屋は初期設定で4種類ある中から一つ選ぶことができます。1stの場合は、この部屋選びによって最初に友達になれる女の子と初期パラメータが決まる仕様になっています。

 

「部屋」を運動タイプにする理由は、単純に「気配りの初期パラメータが一番高いから」です。一番高い、と言っても他の部屋と比べて5しか変わらないのですが…。でも、その差が結構大きかったりします。最初の方でも言いましたが、とにかく、1学期のテストで1位を取るには気配りが不足するのです。少しでも初期パラメータで補完しておかなければなりません。また、運動の初期パラメータも少し高めなので、運動が低くなりすぎない…という利点もあったりします。

最初の友達が確実に珠美ちゃんになりますが、問題ないですよね???(自分は珠美ちゃん大好きなので寧ろ嬉しい笑)これを機に仲良くなりましょう😊

 

2-3.血液型「A型」「B型」を推奨する理由

血液型に関しては、優先度低めなのですが、個人的にはA型とB型が一番ストレスなくできるのかな、と思っています。

というのも、前述しましたが、A型とB型は絶不調が少ない血液型になります。1つのカテゴリーだけで見てみたら、1つの周期で絶不調は1回だけになります。「O型」は絶好調が多いので通常攻略をする分にはお勧めですが、その分絶不調も多くなります(1つの周期で2回絶不調が来ます)。「AB型」も同様です。

なぜ、絶不調を避けなければならないのか…それは、今回のプレイでは勉強と手芸部コマンドのみで1学期を過ごすためです。どちらのコマンドも勉強の運勢が関わるコマンドなのです。また、絶不調のコマンド成功率が「35%」不調のコマンド成功率が「63%」となっています。結構大きな差ですよね。不調であれば、まだオールピンポンを狙いやすくなります。絶不調だと本当に恐ろしいほどリロードが必要になります…。

リロードを前提とし、より成功率を高めるために「A型」と「B型」を推奨しています。なるべく占いに左右されず攻略したいという方は特に「B型」がオススメかな、と個人的には思っています。

 

これで解説を終わります。

ときメモGSはシステム面もすごく面白いので、縛りプレイや究極効率プレイも楽しんでもらえたらなぁ、と思っています!!

面白い!と思ってくださった方は、拡散していただけたら嬉しいです。

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他に「こんな検証してほしい」という要望がありましたら、お気軽にリクエストしていただければ…(期待に添えない場合もあるかと思いますが)

それでは、楽しいGSライフを!!!

【天童壬】社会的スティグマと信じること【考察】

はい、今回はGS1のDS版で追加された隠しキャラ、天童壬(てんどうじん)君の考察をしていきます。
天童君ルートのテーマは何だろう、と考えたところ、タイトルにもあるように「社会的スティグマ「信じること」かなと思いました。この二点から彼を深めていきます。

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1.天童壬と社会的スティグマ

まずは、社会的スティグマについて簡単に説明します。

社会的スティグマ(Social stigma)とは、一般と異なるとされる事から差別や偏見の対象として使われる属性、及びにそれに伴う負のイメージの事を指す。社会的スティグマは特定の文化、人種、ジェンダー、知能、健康、障害、社会階級、また生活様式などと関連する事が多い。

引用元:Wikipedia「社会的スティグマ

 社会的スティグマの意味、なんとなくイメージできたでしょうか。スティグマは日本語で「烙印」と訳されることが多いです。これと似たような言葉として日常的によく使われるのがレッテルですかね。
さて、天童君の社会的スティグマは何かというと、「金髪」「不良」「喧嘩」「羽ケ崎学園(成績は中の下の下(※本人談))」…このあたりになるのではないでしょうか。

彼は、中学生の時にできた友人(しかも天童君曰く初めての友人らしい)の影響でグレ始めたようです(イベント「喫茶店で遭遇」でこの話を聞くことができます)。中一くらいまで成績はトップだったようですが、初めてできた友人がグレ始めた影響で彼もずるずると流されていったということらしいです。
それからは「羽ケ崎学園」に入学し、成績はその中でも中の下の下まで落ちます。中一までは優等生だったということもあって、その落差、「金髪」や度重なる喧嘩等々によって親や教師からの信頼を失うことになりました。そのせいか、出会って間もない頃は主人公に対して、「はば学のお嬢さん」「優等生」と悪態をついています(ちなみに、はばたき学園は有名進学校という設定になっています)。「自分はどうしようもない出来損ないの人間だ」「地まで落ちてしまったから何をしようが大丈夫」「主人公と自分は別世界の人間なんだ」そう思い込むことによって、安心感を得ようとしていたのでしょう。

しかし、主人公は天童君の挑発に乗り、試験前にもかかわらず遊びに全力で付き合いました。そんな主人公を見て、こんな偏見もなく、自分と接してくれる人がいるのか、と主人公に対する目が変わります。


彼が社会的スティグマを意識している場面は文化祭準備の時の会話でも見られました。

天童君と主人公が校門で仲良さそうに会話をしているのをみた女子生徒二人がこんな会話をします。

女子A「ねぇねぇ、あの子、ナンパされてんのかな。意外と付き合ってたりして。」
女子B「そういえば、この前も……イヤ~、マジメそうなのに見かけによらないねぇ。」


真面目で優等生な主人公が天童君と関わっているのを見て”意外”とか”見かけによらない”とか言っています。これは、天童君を見かけだけで”不良”だと判断しているとも取れます。これこそが社会的スティグマ。金髪、ワルそう、羽ケ崎学園の制服(羽学が悪いわけではなく、単にはば学>羽学という序列が勝手に作られているだけです)という見かけで、勝手に判断される天童君。それに加えて、自分のせいで主人公にまでよくない評価が下されてしまっている…。自分だけならまだしも、主人公にまでそんなイメージを勝手に持たれるのは許せない。そんな思いが、文化祭当日の「黒髪」に表れているのでしょう。

 

自分だけならまだ…という思いが天童君の中であったのは確実かなと思います。だからと言って、天童君も自分がこのままでいいと思ってるわけではないと思います。主人公に対して勉強はちゃんとした方がいいとか言っていますし、喧嘩自体も自分の意志と言うよりかは友達に流されて…という側面が強いような語りをしています。天童君は自分の望むように振舞うことはできないながらも、「本当はこうした方がいいんだろう」という彼なりの価値基準はちゃんと持っているように感じました。だからこそ、彼は「ちゃんと勉強して大学に行こう」と決意できたのだと思います。

 

2.信じるということ

「信じる」これが天童君ルートの一番のテーマなのかなと思います。

社会的スティグマのところでも述べましたが、彼は中一の頃まではトップの成績をとっていました。その頃は、成績がいいことで親や先生から褒められ、信頼されていたのだと想像できます。しかしながら、この信頼と言うのは非常に頼りないものだという事を天童君は自覚するのです。中学生の時、初めてできた友達に半ばつられるような形でいわゆる”不良”になっていきました。そうなることで、今まで親や先生から得られていた信頼を一気に失うのです。天童君自身が信頼されていたのではなく、”成績の良い”天童君が信頼されており、もっと言うと、”成績がいい”という属性だけで信頼されていたとも取れます。そんな事実を突きつけられてしまったら、自分から人を信じることが難しくなります。
しかしながら、彼にはたった一人の友達がいました。その友達は、いつまでも変わらず友達でいてくれました。天童君にとっての初めての友達…天童君自身も彼がどうなろうと友達でい続けたいという思いが強かったのでしょう。グレていく友人を見ても、天童君はずっと友達でい続けようとしました。それは、天童君が友人のことを本当の意味で信頼し、心情を汲み取っていたからだと思います。天童君はすごく相手の気持ちを思いやれるし、絶対に裏切らないという強い信念、優しさを持った子なんだなと、プレイしていて思いました。逆に信念が強すぎるからこそ、優しさがときに先走って自分よがりになってしまう場面もあるのですが…。それもきっと、大人から裏切られた反動なのだと自分は解釈しています。

彼は裏切られることを極度に怖がっているように見えました。彼の友人や主人公に対する「信じる気持ち」はその裏返しとも取れます。裏切られるのが怖いから、信じる。もちろん、信じたいという気持ちも混ざっているとは思うのですが、やはり人は簡単に裏切るものだと学習してしまった彼がそう簡単に人を信じるのは難しいような気がします。だから、自分はお前のことを信じてるから、俺のことも信じてくれ。そんな悲しい叫びのように聞こえる場面も結構ありました。

これを踏まえた上で、文化祭イベントの教会での二人の会話を見ると、すごく泣けてきます。主人公から「教会の伝説」を聞いた天童君は、少女漫画の様なメルヘンさのあるその伝説を笑い飛ばすのですが、最終的には

「オマエは信じてんだもんな。よし、わかった……。」

と主人公の語る伝説を信じることにしたのです。彼にとって、おそらく伝説自体はどうでもいいもので、「自分の好きな人である主人公が信じている伝説」だから信じることにしたのだと思います。どんなに馬鹿げたことでも、信じる。これは、主人公が天童君に対してしてきたことでもあるのです。「不良」の属性をもった天童君を主人公は信じて偏見なく接してくれたし、高校の成績が中の下の下である自分が大学受験を目指すということもばかにせずに、絶対にできると信じてくれました。主人公の言う「教会の伝説」を信じることは、彼にとっての主人公への恩返しであり、必死の愛情表現だったのだと自分は考えています。本当に泣けます…。

 

受験日当日、友達から連絡が入った天童君は、受験を捨てて友人を助けに行く選択をします。今まで頑張って勉強してきたうえに、主人公と一緒に合格しようと約束した天童君のことを想うと本当に辛くなるのですが、ここで友人を助けに行く選択をした天童君は「人を信じる」ということに本当に全力なんだなと改めて気付かされます。私は、さらに彼のことを信じたいと思いました。これが信じる力ですね。信じる力は相互作用を生む。主人公との約束は破ってしまうことになるのですが、自分にできる信じる姿勢を彼は示してくれました。主人公に対し、「お前はちゃんと受かれ」と言うのです。その後、教会での告白でも、自分なりに主人公との約束を守ったことを伝えてくれます。友人を助けに行ったとき、天童君は自分から手を出すことなく、喧嘩相手に一方的に殴られたと言います。一方的にやられただけだから喧嘩にならないよな、と。ちゃんと「もう喧嘩はしない」というもう一つの主人公との約束を彼なりに守っていたのです。私はこの事実を知った時、また泣きそうになりました。これが誠意なんだな、と思いました。

 

本当の意味で人を信じるとはどういうことなのか、そんなことを考えさせられる素晴らしい話でした。

 

最後に、彼は主人公の為に自分は変わる!というGSキャラの中でも少し珍しいタイプなのかと思います。相手のために変わる、と言うのも一つの愛情表現なのだと思いますが、個人的にはその愛にはまだ「自分のため」というエゴが含まれていて、成熟した愛とは言い難いのかなと思っています。しかしながら、付き合う中で主人公から信頼されるという経験をたくさん積むことによって、「無理に変わる必要はないんだ」と思えるようになるんじゃないかと思っています。歩み寄ることと、相手の為に(無理して)自分を変えることはちょっと違うと思うのです。(そういう理由で、自分は金髪EDの方が好みだったりします)

天童君はちょっと暴走してしまう節がありますが、主人公と信じあう経験をしていくなかで少しずつ落ち着きが出てくるのではないかなと勝手に想像しています。彼自身、人を信じるというブレない芯を持っているので、きっと幸せな恋愛ができると思います。

 

長くなりましたが、以上で天童君の考察を終わります。
最後まで読んでくださってありがとうございました!!

【氷室零一】「無色透明」という表現が意味するもの【考察】

氷室先生の告白EDにこんなセリフがあります。

「君は無色透明な私の世界に彩りを与えてくれた」

このセリフで出てくる「無色透明」…。なぜ、氷室先生は無色透明という表現をしたのか…自分なりに考えたことを書いていこうと思います。

この記事の内容は、以前書いた『氷室零一と「調和」【考察】』の内容の補足的なものですので、もし未読であれば読んでいただいた上で再度この記事に戻ってきていただけると幸いです。

 

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目次

 

 

1.私を「無色透明」だと自覚すること

「無色透明」という言葉を用いてある人間を説明するとき、どのようなイメージを持つだろう。

「無個性」「見た目の透明感・美しさ」「無味乾燥な人格」「面白みがない」「誠実さ」「凛としている」「混じり気がなく、偏っていない」等々…ポジティブな印象を持つ人もいるでしょうし、ネガティブな印象を持つ方もいるでしょう。言葉には意味がありますが、その言葉の持つイメージは人それぞれだと思います。

とりあえず、辞書で「無色透明」という言葉を調べてみます。

無色透明:色がついていないで、すきとおっていること。また、そのさま。転じて、くもりがなく明らかなこと。意見などが偏っていないこと。

出典:goo辞書

 

んーなるほど。この辞書が表現する無色透明には「明晰さ」「偏りのなさ」みたいなものを感じられますね。

 

さて、無色透明という言葉のイメージをなんとなく掴んだところで、私なりの考察を展開していこうと思います。

 

なぜ、氷室先生は(主人公と交流を深める前の)自分のことを「無色透明」だという言葉で表現したのでしょう。

まず、自身で「無色透明」という表現をしているというところに注目したい。無色透明だと自分自身を表現する、ということは、その前提として無色透明を自覚する必要があります。無色透明って、なんとなく生きているとなかなか自覚できないものです。なぜなら、色がついておらず、透き通っているから。ちょっと例を挙げて考えてみます。普段、私たちは無色透明の代表的な存在でもある「空気」を意識するということは少ないように思います。それは、空気は無色透明で、いつも色のついたものを映し出している(←この表現が適切かは分かりませんが)からです。無色を認識しようとしても、色がついているものがあれば、その存在感に勝つことができません。しかし、私たちが無色を認識しにくい(あるいはできない)からといって空気という存在が”無い”と言うことはできません。空気は確かに存在して、私たちに何らかの影響を与え続けているのです。そういう意味では、私たちは空気が見えているはずなのですが、有色の圧倒的な存在感に、無色透明である空気の存在感が極端に薄まってしまっているとも言えます。

そんな「無色透明」を自覚するには、意識的に自身の内面と向き合う必要があるような気がします。氷室先生は、無色透明ではないもの(=主人公)と出会うことによって、揺れ動く自分の内面に向き合わざるを得ない状態になり、自身の「無色透明さ」を自覚できたのだと思います。無色透明という概念を認識するには、「有色」「不透明」の概念も認識しておく必要があります。つまり、主人公(氷室先生にとっての有色・不透明的な存在)と出会い交流を深めていくことによってはじめて自分自身の「無色透明さ」に気付いたとも考えられます。

主人公と出会うまでの氷室先生は、「調和」の形が限定的だということを、前の記事で書かせてもらいました。氷室先生は、自分が正しい、美しいと思うものしか受け入れてこなかった。本当はもっといろんなものを目にしていたはずですが、自分の思う「調和」が完全だと思い込むことで、無意識に自分の価値観に沿ったものだけ”選び取って”きたのです。逆に、氷室先生はそうするしかなかったとも考えられます。詳細は分かりませんが、氷室先生は父との確執があったという話をフォロワーさん(氷室零一有識者)から伺いました。氷室先生は、父親の価値観を受け入れることで自分が崩壊してしまうかもしれない、自分の大事にしているものを否定してしてしまうかもしれない、というそんな不安感によって、あえて自分の価値観に沿わないものは排除してきたのかもしれません。でも、自分の内面世界だけで生きていると、自分の色(自己)を認識することができません。私たちは比較対象があるからこそ、何かを認識できるのです。つまり、他者の存在があるからこそ、私が存在できるのです。これをいうと、”私の価値”を低く感じてしまいそうですが、「他者の存在があるからこそ、私がある」はつまり「私がいるからこそ、他者が存在する」とも言い換えることができます。他者の価値観を尊重することは自分の価値観を脅かすことにもなりかねないのですが、それと同時に他者の価値観を尊重することでより自分というものが浮き彫りになり輝きだすとも言えます。勘違いされる方が多いのですが、「他者の価値観を尊重すること」は「自分の価値観を否定すること」と同義ではないんですよね。限定的だった「調和」も人と真剣に向き合い他者の価値観を受け入れていくことで多様な「調和」への気付きにつながっていきました。

「君は無色透明な私の世界に彩りを与えてくれた」

この言葉の意味、この表現だからこその感動、なんとなくでも感じていただければ幸いです。こんな告白をされたら泣いてしまいますね…。

自分を無色透明だと自覚するまでには、ものすごい勇気が必要だったのでは?と思います。自分の思い描く理想の教師として、また人を好きになることによって自分以外の価値観にも触れてみようと自分の価値観から抜け出した氷室先生を思うと、教師という職への誇り、人を好きになることは自分の殻を破る原動力にもなり得るということを痛感し、涙が零れてきます。

 

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2.プレイヤー視点から見る「無色透明」な氷室先生

次はプレイヤー視点から氷室先生の「無色透明」について考えていこうと思います。

先日、フォロワーさんとお話していた時に「無色透明って美しいよね!」というような話が出てきました。無色透明を「無個性」とか「空疎」とかいうネガティブな印象を持ちがちな言葉だけを連想するのはもったいないなぁと思いました。辞書にも書いてあったように「無色透明」には「くもりがなく、明らか」とか「偏っていない」というポジティブにも捉えられる意味もあります。氷室先生自身が告白のときに使った「無色透明」という表現はどこか過去の自分を卑下しているような印象も受けてしまうのですが、「無色透明」って別に悪いことでもないよね、ということを伝えたくて自分なりに考えて書いていきます。

氷室先生は「堅物」だと言われています。それは、頑固とも捉えられますし、芯があるとも捉えられます。氷室先生は堅物で、自分の思う調和が完璧な形だと考えているような人なのですが、しかしながらそれと同時に非常に柔軟性のある人間でもあるのです。氷室先生は堅物であるからこそ、柔軟性が生まれたとも私は思っています。一見矛盾しているようですが、ちゃんと紐解いてみると矛盾していなかったりします。

これは前回の記事でも書かせてもらいました。氷室先生にはおそらく理想の教師像というのがあると考えています。そのうちの一つに、「一人一人の生徒と真剣に向き合う」というものがあると思っています。それは氷室先生を攻略すれば、ちゃんと私を一人の人間として真剣に向き合って考えてくれている、と実感できるかと思います(根拠を提示せず、読者に委ねていくスタイル)。この「一人一人の生徒と真剣に向き合う」という信念・教育への熱い情熱が氷室先生自身の堅さを見事に和らげているのです。一人の人間と向き合うというのはとても大変なことです。きっと氷室先生は生徒と向き合う中で、何度も壁にぶち当たってきたと思います。「なぜ、私の言っていることが理解できないんだ…」「この生徒にとっての幸福とは何なのか…」と。そんな挫折を繰り返しているうちに、自分の価値観や完全な調和への限界を実感させられます。そんなもどかしさを感じていたところに、主人公と出会います。主人公は圧倒的なバイタリティで氷室先生の調和とは違う形の美しい調和を作り上げていくのです。そんなものを見せつけられてしまったら、もう認めるしかありません。そして、様々な調和の形を見せてくれる主人公に氷室先生は一人の人間として惹かれていくのです。

氷室先生は堅物ながら教師と生徒という力関係を利用して自分の価値観を押し付けるような「抑圧」は決して行いません。かならず「対話」によって生徒と関わっていきます。教育への熱い情熱があるからこそ生む「余白」。氷室先生が支配的な教師でなく、堅物ながら生徒から信頼されていたのはどこかで他者を受け入れるための「余白」を持っていたからでしょう。”余白を持つ”ということは「偏りを捨てる」ということでもあります。厳密にいうと「完全に偏りのない状態」というのはあり得ないのかもしれませんが、少なくとも「偏りがないように」努力することはできます。そういう姿勢を私は「無色透明」だと表現するに相応しいなと思いますし、そんな氷室先生の姿勢を美しいなと感じます。彼は、無色透明だからこそ生徒一人一人を、あるいは主人公を”ありのままに”見ることができたのかもしれません。「無色透明」という言葉は、氷室先生という人物を表現するに相応しい表現だなと、感じました。

氷室先生は「無色透明な私の世界に彩りを与えてくれた」と言いました。これは「今後私は無色透明ではなくなる」ということではありません。主人公と一緒に生きることで彩りを実感しながらも、氷室先生自身にある「無色透明さ」は残り続けるのだと思います。氷室先生は今後も自身の「無色透明さ」をいい意味で生かして、どんどん世界を鮮やかにカラフルにしていくのでしょう。

 

考察は以上になります。

この記事を読んで、告白EDのセリフ

「君は無色透明な私の世界に彩りを与えてくれた」

がいかに素晴らしいものか、気付いていただけたら嬉しいです。

【日比谷渉】『イメチェン?』イベントの考察

さて、今回は考察するのはGS1の後輩キャラ日比谷渉くん

彼は「イメチェン?」という髪型変更スチルがあるからか、髪型について何かとよく言われている印象です。

日比谷君は私のGS1最推しキャラで、ダサいと言われがちな日比谷君のいつもの髪型(角刈り)を愛してやまない人間です。この髪型には日比谷君の色んな思いが詰まっているんだよ~~~ということを伝えたくて、記事にしてみました。

日比谷君のいつもの髪型が好きになると同時に、日比谷君の魅力に気付いてもらえたら嬉しいです!!

 

 

 

1.イベント会話を振り返ってみよう

女子1「先輩!どうしたんですか、ソレ!?すっごくカッコイイです~!」
女子2「うんうん!いつもの先輩もいいけど、そのほうがもっとイイです!」
???「そ、そうかな……。」
主人公「(……なんか騒がしいなあ。なんだろ?)」
主人公「あっ、日比谷くん!」
 

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日比谷「せ、先輩……。」
スキンシップ(……日比谷くん、女の子にかこまれてなんとなく嬉しそう……)
主人公「日比谷くん、その髪型……
日比谷「あ、いえ……おとといまで、修学旅行だったんスよ。」
スキンシップ(………)
主人公「……?うん……え?それで、その髪は?」
日比谷「”もっとカッコ良くしてあげる”とかって言われて、あの、女子によってたかって……」
スキンシップ(今髪に触ったりしたら、悪いよね)
主人公「アハハ!そうだったんだ。」
日比谷「あの、この髪型……先輩はどう思いますか?」
日比谷「……後輩たちは、”カッコイイ”って言ってたんスけど。」
主人公「よかったね、後輩たちにモテモテで。」
日比谷「あ、いえ……ジブン、そんなつもりじゃ!ス、スミマセン!!」
主人公「えっ?」
日比谷「先輩!ちょっと待っててください!」
主人公「……?」
 
日比谷「おまたせしました!日比谷渉、参上!」
主人公「あっ、いつもの髪型!」
日比谷「ハイ!」
主人公「日比谷くん、さっきの髪型、やめちゃうの?」
日比谷「あ、もういいんス。やっぱジブンには、こっちのほうが似合うんで。」
日比谷「それより、先輩。……ハイ、おみやげッス!!」
主人公「うん……。ありがと……。」
(日比谷去る)
主人公「……あ!ねえ、ちょっと!!」
主人公「(えっと、中身は……”金閣寺のペナント……”)」
 
 

2.”自分の思い”と”他者の評価”

髪型を変えるということは、外見を変えるということです。もっと言えば、髪型を変えることで外見を変えることはできますが、外見が変わるだけでそれと同時に内面まで変わることはあり得ません。もちろん、外見を変えることで自他ともに何らかの心理的作用が働き、内面が変わっていったり、”自己の人間性”に対する周囲からの評価が変わっていったりする可能性は十分にあり得ます。何が言いたいかというと、「他者からの評価は外見で簡単に変わる可能性のある頼りないものであり、外見で評価されることが自己肯定・自己実現に繋がる訳ではない」ということです。つまり、後輩から「カッコイイ」という評価を受けても、それによって日比谷君自身が満足するか、と言われれば、必ずしもそうとは限らないということです。

また、今回の場合は後輩に髪型を整えてもらったという経緯があります。それはつまり、この髪型にすることに日比谷君自身の”意思”は殆どない、と考えてもよいかと思います。「後輩たちは、"カッコイイ"って言ってたんスけど。」と言っているように、髪型を変えて変えて”カッコイイ”と思っているのは、このイベント時点では後輩だけであって、日比谷君自身がこの髪型を心からカッコイイと思っているわけではない、ということができると思います。

 

 

3.”いつもの髪型”に戻した理由

「先輩!ちょっと待っててください!」と言って、いつもの髪型に戻し再び主人公の前に現れた日比谷君。その行動にはどのような意味があったのでしょうか。

 

①後輩にカッコいいと言われて浮かれていると思われたくなかった。

「あの、この髪型……先輩はどう思いますか?」と、後輩に変えてもらった髪型をどう思っているか聞く日比谷君に対して、主人公は「よかったね、後輩たちにモテモテで。」と髪型について触れない返答をしています。いつも思うのですが、この返し、かなり意地悪ですよね笑 日比谷君は髪型についての主人公の感想を純粋に聞きたかっただけにもかかわらず、後輩に”カッコいい”と言われて浮かれている…みたいに言われているのですから…。でも、恋愛ゲームとしてはこれが正解だったのかもしれないとも思います。主人公はあくまでも”プレイヤー”なので、製作者側の感覚で「こっちの方がカッコイイ」と言い切ってしまうと、プレイヤーと主人公が切り離されてしまう恐れもあります。「いつもの髪型のほうが好き!」と思っている方もいらっしゃると思うので、日比谷君の髪型に対する評価を保留したのは、個人的にはいい判断だったのではないかと思っています。その代償として、少々棘のある言い回しになってしまいましたが…。

少し話がずれてきたので軌道修正します。日比谷君は主人公から「良かったね、後輩たちにモテモテで」と言われて浮かれていると思われていると解釈してしまったから、「そういうつもりじゃない」という気持ちで髪型を戻した、と考えることができるかと。そこで注目したいのは、このイベントの発生条件。好感度「友好以上」。つまり、主人公という存在が日比谷君にとって特別な存在になりかけている、恋心を抱きかけている、あるいは抱いているという状態だと推察できます。好きな人に異性の後輩から褒められて浮かれているとは思われたくない、と思うのは自然なことじゃないかな、と思います。もっと言えば、日比谷君がいつもの髪型に戻すことは、「主人公へのまっすぐな思い」とも受け取れますし、「後輩より主人公からの評価の方が大事だ」と言っているようなものだと受け取ることもできます。こう考えると、すごくかわいく思えませんか??さあ、ここで心が動いてきた人はもう日比谷君沼の一歩手前です笑

 

②後輩に変えてもらった髪型に自分の意思がないことに気付いた

いつもの髪型に戻した日比谷君に主人公が「さっきの髪型、やめちゃうの?」と聞くのに対し、日比谷君は「あ、もういいんス。やっぱジブンには、こっちのほうが似合うんで。」と返します。このセリフから、後輩に変えてもらった髪型が良かったかどうかは置いといて、やはり今の自分にはいつもの髪型が相応しい、と思っているのではないかと推察できます。髪型を戻した後の一発目のセリフ「日比谷渉、参上!」にも日比谷君の気持ちが表れているような気がしています。ここであえて自分のフルネームを言ったのは、この髪型が「本来の自分」の姿なのだ、と自覚したからではないでしょうか。本来の自分を取り戻したということで「日比谷渉、参上!」と言ったのではないかと私は考えています。つまり、日比谷君にとって後輩に整えてもらった髪型は、自分にとって自然な状態ではない、と主人公とのやり取りを通して気付かされたということでしょう。前に述べた、「”自分の思い”と”他者の評価”への気付き」があり、自分が求めている”カッコよさ”はこういうこと(後輩の思うカッコいい髪型にすること、外見を変えること)ではないと思ったからこそ、今の自分に相応しい(落ち着く)と感じるいつもの髪型に戻した、と私は考えています。角刈りはスポーツをするのに適した髪型でしょうし、この髪型には日比谷君の歴史が刻まれているとも言えます。だからこそ、角刈りが落ち着くのでしょう。

 

4.本当の”カッコ良さ”への気付き

「カッコイイとは何か」これが日比谷君ルートの大きなテーマかと思っています。

ただカッコイイ人の真似をしたり、他者からの評価に流されステレオタイプ的な「カッコよさ」や「男性らしさ」を取り入れたりすることで、本当の意味でのカッコよさは身につけられません。告白EDでもわかるように、日比谷君は最終的に「一生懸命打ち込んでる姿」にカッコよさを見出しています。自分の中で、この「イメチェン?」イベントは、本当のカッコよさに気付くための一つの過程だったのだという認識です。日比谷君が主人公に対して特別な感情を抱いていたからこその学びでしょう。

 

5.まとめ「いつもの髪型(角刈り)に込められた思い」

さて、では今回の考察のまとめに入っていこうと思います。

もうここまで読んでくださった方は、日比谷君のいつもの髪型がとても愛おしく見えるようになっていることでしょう(そうだと嬉しい←)。

 

〇なぜ、いつもの髪型に戻したのか〇

・後輩の手によって作られた髪型には日比谷君自身の意思がなく、また後輩にとっての「カッコイイ髪型」でしかないから。

・後輩の評価よりも、主人公の評価の方が大事だという思いから。

・主人公に対して抱いている特別な感情を示すため(日比谷君なりの真摯な態度)。

・自分にとって自然な(落ち着く)髪型であるため。

 

ああ、素晴らしい!!かわいい!!愛おしい!!

この記事の内容は単なる私個人の考察でしかないのですが、こう考えてみると日比谷君のいつもの髪型がすごく愛おしく感じられるのではないかと思います。

彼は不器用な子なんですが、主人公に対しても自分の夢に対してもすごくまっすぐなんです。スマートさには欠けますが、こうやって失敗を重ねつつ彼はどんどん魅力的な人間になっていくのです。将来性しか感じません!!!

 

最後に一つ言っておきたいのは、この記事は「イメチェン?」イベントの髪型よりいつもの髪型のほうがいい!!と言っているわけではない、ということ。このイベントでは日比谷君はいつもの髪型に戻す決断をしましたが、今後彼はどんどんいい意味で成長していくでしょうし、その過程で彼に相応しい髪型というのは変化していくものだと思っています。日比谷君がいつもの髪型以外の髪型に自らの意思で変えていくことも十分にあり得るかと思っています。私は日比谷君がどんな髪型であれ彼を好きな気持ちは変わりません…!!以上。

 

~おまけ:「金閣寺のペナント」について~

「イメチェン?」イベントの最後に、日比谷君は修学旅行のお土産として、主人公に金閣寺のペナント」をプレゼントします。ペナント集めが趣味の日比谷君。自分の好きなものをプレゼントするあたりとても彼らしいなと思ってホッとします。金閣寺のペナント」にはそんな彼らしさの出た「等身大」の日比谷君を表現しているような気がしています。

また、なぜ”金閣寺”を選んだのか。これについて少し考えてみたのですが、三島由紀夫の『金閣寺という小説と何か関係があったりするのかな、と推測しています。読んだことがないので詳しくは分かりませんが、どうやらこの小説の主人公は金閣寺「精神的な美の象徴」として考えているようです。もしかすると、金閣寺は「日比谷君にとっての主人公」を指しているのかもしれないですし、日比谷君の思う「カッコよさ」を指しているのかもしれません。「主人公に対する憧れ」と「カッコよさへの迷い」が、この「金閣寺のペナント」に表れていると考えると、なんかいいですね笑

【佐伯瑛】「頼むよ、耐えられないんだ」を考察する【GS2】

ときメモGS2の王子キャラ、佐伯瑛くん。自分の大好きなキャラです。彼のことをとてつもなく尊敬していますし、彼の生き方にはかなり影響を受けました。

2020年7月19日に30歳の誕生日を迎えました。おめでとうございます!!

本当はこの記念すべき日に考察記事を上げたかったのですが、間に合いませんでした…。

 

佐伯くんの中で最も印象的なセリフと言えば…タイトルにもある通り「頼むよ、耐えられないんだ」を上げる方が多いと思います。自分も初見プレイの時、彼のこのセリフに動揺したことを覚えています。

今回の記事では、この「頼むよ、耐えられないんだ」というセリフから、佐伯瑛というキャラクターを深めていこうと思います。私自身大好きなキャラですし、GS屈指の人気キャラなので、非常に緊張していますが、自分なりに考えたことを頑張って書いていこうと思います。

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1.親との確執と学校

佐伯君は羽ヶ崎学園に入学するにあたり、親元を離れ、はばたき市で「珊瑚礁」という喫茶店を営む祖父(佐伯総一郎)のもとでお店の手伝いをしながら暮らすようになりました。これは佐伯君が自ら選択したことです。大好きな祖父、コーヒー、海…ここには佐伯君にとって大切なものがたくさんありましたし、夢も詰まっていました(彼にはバリスタになって珊瑚礁を続けたいという夢があります)。

しかしながら、親元を離れ祖父の店でアルバイトをしながら学校に通うという選択をした佐伯君に、両親は条件を出します。それは下校会話で聞くことができます。

・ゼッタイ成績に影響が出ないこと

・学校では問題を起こさないこと

佐伯君は、珊瑚礁の手伝いを続けるためにこの条件を飲みました。

佐伯君の両親についてゲーム本編であまり詳しいことは語られないのですが、この条件を出すあたり、学歴主義で世間体を気にする(権威のある仕事と世間から思われている仕事に就いている)タイプなのかもしれません。そして、それを子どもにも強いている。よく言えば教育熱心な親。俗にいう「いい大学に進めれば、いい人生を歩める」みたいな考え方を支持していそうな気がします。憶測でしかありませんが。

佐伯君はお店を続けるために両親との約束を守って頑張りました。学校では「優等生」を演じ、成績上位を維持できるくらい勉強も頑張りました。佐伯君自身も両親の影響を受けているのか、”周りの目”を気にする傾向にあって、勉強もクラスメイトにその努力が見えないように朝早く学校に来て誰もいない教室で勉強したり、外見(自分の容姿や髪形)も気にしていたりします。佐伯君の努力は、両親との約束のためでもありつつ、周りの目を気にする自分のためでもあったのだと思います。この部分、今回の考察で結構重要なポイントになってきます。

学校では、あまり努力しているようには見せず、好成績を収め、当たり障りなく人と接し優等生を演じる佐伯君。もちろん、そういう人はモテます。佐伯君は学園のプリンスと言われ、彼の周りにはいつも女の子がたくさん集まっている、そんな状況でした。しかしながら、彼はその状況をしんどくも感じていました。世間の目を気にする一方、自分を偽り、その偽りの自分に好感を持たれていることにやるせなさも感じていたことと思います。

その、”周りの目を気にしてしまう自分”が本物の自分だとなんとなく気付いていながら、周りから評価されるために偽りの自分を演じなければならないというギャップ。しかも、演じること・努力することは両親に出された条件を守ることとも重なります。そして、この条件を守ることが珊瑚礁を守ること、自分のやりたいことを守ることにもなるのです。この複雑さが、彼が自分の「オモテ」と「ウラ」を曖昧にし、”本当の自分”というものを分からなくさせている原因だと考えています。「頼むよ、耐えられないんだ」というセリフは、この自身の存在の曖昧さにじわじわ苦しめられていた佐伯君の心の叫びだったのでしょう。

 

2.愛着形成と安全基地

佐伯君の”周りの目”を気にする性格は、両親との愛着形成に課題があったからだと考えてます。愛着というのは「自分自身の思いを受け入れてもらう経験を積んでいくこと」によって形成されていくものです。大人からしてみれば”良くないこと”であっても、しっかりと気持ちを受け止めてもらいながら聴いてもらうことが非常に大切です。共感してもらうことなく、「こうすることが正しい」「こうするのはダメだ」などと一方的に否定されてしまうと、その親の主張がいくら正しいものでも愛着形成はなされないのです。親は子どもにとっての”安全基地”であることが求められます。

おそらく、佐伯君は親から「こうするのが正しい」と親の価値観を押し付けられ、自分の思いにあまり共感してもらえなかったのでしょう。親の主張する”正しさ”に従い”いい子”になることで、親からの愛を享受するという形をとっていたのではないかと思います。親から出された条件に従うこともこれに当たります。「周りが求める姿を演じることで、自分は愛される」という不適切な愛着形成(佐伯君は不安型愛着だと思われます)による学びが、学校でも”ありのまま”の姿を出せない要因になっていると考えられます。

佐伯君にとっての安全基地ってあったのでしょうか。珊瑚礁や祖父(総一郎さん)は佐伯君にとって大切なものであり、安全基地でもあったと言えるかもしれませんが、全てを出し切れているわけではなさそうです。総一郎さんから、よく陰でこっそり泣いていたというエピソードもゲーム本編で聞くことができます。祖父のことは大好きだけれでも、総一郎さんは佐伯君の親とつながりのある人物で、自分が祖父に弱さを見せると親に伝わってしまう恐れがある、という危機感があったからなのでしょう。信じたいけど、信じきれない…佐伯君は総一郎さんのことを尊敬してはいたものの、同時に心のどこかで全てを曝け出せない罪悪感も抱いていたんだろうなぁと思います。純粋に、大切な祖父に心配をかけたくないという思いもあったと思います。本当に胸が締め付けられますね…。

幸運なことに佐伯君には安全基地になりうる人物がいました。それはGS2の主人公、”デイジー”です。幼い頃にキスを交わした女の子。それが佐伯君にとっての安全基地だと私は考えています。デイジーが佐伯君にとっての安全基地になれたからこそ、佐伯君は「頼むよ、耐えられないんだ」と別れを告げても、ちゃんとはばたき市(デイジーの前)に戻ってこれたのだと思います。佐伯君にとってデイジーは、同級生の中でも唯一珊瑚礁で働いていることを知っている人物であり、不愛想な態度を取ってもあっけらかんと変わらず自然体で接してくれる女の子です。そして、幼い頃に約束を交わした女の子でもあります。佐伯君はそんな彼女に少しずつ心惹かれていきました。自分の子どもっぽいところも、負けず嫌いなところも、そんな様々な欠点を知ってもなお変わらずに接してくれるデイジーに心を許していきます。珊瑚礁でアルバイトしている時のクリスマスイベント「ここにいてくれて、よかった」で、弱いところを曝して膝枕を要求するまでになったときには、本当に泣けてきます。このイベントを見ると、「あ、本当に心を許してくれたんだ」とこちらも心が満たされます。しかしながらその約1ヶ月後には別れを告げられることになるのですが…。「弱さを曝してくれたのに、なぜ…?」そんな風に思ったプレイヤーは多いと思います。「頼むよ、耐えられないんだ」と佐伯君に言われる、「別れのとき」というイベントは、主人公に対する最後の「お試し行動」だったとも考えられます。大事なものをすべてなくす恐れもある、自己破壊的な。「自分はこんなにもひどい人間なんだ。それでも変わらずに愛してくれるのか?」という。こんなお試し行動をされると、された側は普通傷つきます。そして、きっと佐伯君自身も、こんなことを好きな人に行ってしまう自分に強い罪悪感をおぼえ傷ついていると思います。デイジーが傷つくことを分かっていながら、でもその時の佐伯君はそうするしかない状態だったのでしょう。理性だけではどうにもならないことがやっぱりあります。

「別れのとき」というイベントはクリスマスイベントを見たあとだと、あまりのギャップに唐突だと感じる方もいると思うのですが、愛着の問題(思春期特有の悩みも合わさって更にややこしく…)と捉えると、そんなことも引き起こしてしまうくらい根深いのです。人を信じるということ対する不安はどんどん蓄積され、自己破壊的な行動につながる。大げさかもしれませんが、取り返しのつかないような自己破壊的な行動に繋がらなくて本当に良かったな、とこのイベントを見るたびに思います。

 

3.”本当の佐伯瑛”とは

佐伯君は「本当の自分」「自分らしさ」というのを見失った状態になりました。

では本当の佐伯君って何なのでしょう。

ゲーム本編の告白ED2で彼はこう語っています。

「やっとわかったんだ。ちっぽけなプライドなんて捨てればいいって。カッコ悪くたって、情けなくたって、しょうがない。だって俺は、こんなにおまえでいっぱいだから。」

佐伯君は、デイジーと離れる(距離を置く)ことで、自分の本当の気持ちに気付くことができました。本当の自分はまだ分からないけれど、デイジーのことを好きな気持ちは疑いようがないくらい確かなものだと自覚した、ということでしょう。このセリフには本当に泣かされます。たった一つでも自分の中の”本物”を見つけることができてよかったな、と。

ここからは自分が個人的に佐伯君に伝えたいことになります。

佐伯君は、自分が努力してきたこと(勉強と珊瑚礁での仕事の両立や品行方正で八方美人な態度)を、自分の子どもっぽい意地、親から”やらされているもの”という疑いがまだ拭いきれていないと思います。しかしながら、佐伯君は「自分の好きなものや大切なものを守る」という点では一貫した態度だったのかな、と思っています。たとえそれが親との約束であっても、佐伯君なりに真摯に大切なものを守るための行動だったのだと私自身は思っています。それは時に誰かを傷つけることもあるのかもしれませんが、佐伯君は自分の加害性にもちゃんと気付けているので立派だと思います(3年目の初詣後に「自分に正直で居ることと、人を傷つけないこと、なんとか、両方叶えてくれないかって」と語っています。これは自分に正直な行動は時に誰かを傷つける可能性がある、と気付いているということだと思います)。どれだけ人と誠実に向き合っても、時に人を傷つけることもあり得ます。しかしながら、そういう自分の加害性に気付ける人は、ちゃんとリカバリーできるでしょうし、対話的な姿勢で確かな関係性を構築していけるのだと思います。本当の自分は不変ではありません。少しずつ変化していくものです。きっと、人の目を気にして猫をかぶってしまう佐伯君も、陰で努力し続ける佐伯君も、全て本物の佐伯君なんだと思います。大切なものを必死で守り抜くために努力し続けた佐伯君は本当に素敵だなと、思っています。デイジーもそれを理解していることでしょう。

 

考察は以上になります!

これは考察になったのかな…。ちゃんとイベントのセリフを一文一文引用して丁寧に考察したわけではないですし、憶測で語っている部分もあるので、物足りない、あるいは解釈が違うと思われる方もいらっしゃると思います。でも、こういう解釈があってもいいかな、ということで大目に見てやってください笑

 

とにかく、佐伯君大好きです!!尊敬してます!!

デイジーと末永く幸せに過ごしてください!!

どんな佐伯君も自分は大好きです!!

私の思いはこんなところです。長文になってしまいましたが、お付き合いありがとうございました。

 

 

【平健太】「全力」になることで見えるもの【考察】

GS3の隠しキャラの一人、平健太くんの考察をしていこうと思います。

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平健太くん、個人的にすごく見た目が好きなキャラなんですよね。こういう特徴らしい特徴はないけど、清潔感があって等身大の高校生って感じがすごく好感持てるというか…。そして、GSシリーズの中でも告白シーンが特に素晴らしい。Twitterでは何度も言ってきましたが、私は平君の告白が一番好きです。

 

前置きはこれくらいにして、考察に入っていきますね。

 

 

1.「普通」という安心感

平君は、乙女ゲームの攻略キャラにしては珍しい、見た目・運動・学業どれをとっても普通な子で、GS1の色様のように性格が突き抜けているわけでもありません。本人もそれを自覚していて、「普通」が嫌だと思っているわけではなく、逆に居心地の良さを感じています。なんとも、今の日本人らしい…笑 普通であれば、変に期待も心配もされず、目を付けられることもないので、気が楽なのでしょう。下ではないので、何とか自己肯定感は保てるし、他者に劣等感を抱くことがあっても「普通」であることを理由にそのネガティブな感情に蓋をすることができるのでしょう。定期テストでは「ちょうど真ん中になれたよ」と言っていて、居心地の良い「普通」の階層にいることに強くこだわっている印象も受けました。それを聞いたバンビは「面白いね」というのですが、平君は「面白いと思ってもらえた」と喜びます。この辺も実に人間らしいですよね。普通であることを望んでいるのに、「面白い人」でもありたい、という…。口では「普通がいい」と言っていても、自分より能力の高い人を見ると嫉妬する気持ちが生まれてきて、心のどこかで「自分も特別な存在になりたい」と思っている。矛盾しているようですが、こういう人たくさんいるんじゃないかなぁ、と思います。

 

2.普通であるからこそ、妄想に浸ってしまう

平君を語る上で、「妄想」というのも「全力」に次ぐ重要なキーワードになのではないかと思っています。

前述しましたが、平君は普通であることの心地よさを知っており、普通の位置を維持したいという気持ちもありつつ、でも心のどこかで不安や嫉妬も感じているのではないかと私は考えています。その不安や嫉妬の一番の原因は…もちろん主人公です。入学式の日、主人公に一目ぼれしてしまってから、「ローズクイーン」になる資質を持った主人公に対し平君は自らの立ち位置を意識せざるを得なくなります。その結果が、「妄想」です。”高嶺の花”と普通な自分(その他大勢の一人)…この釣り合わなさと、普通であることから抜け出すことへ恐れが、妄想という行為に繋がっていくのです。

バレンタインの日、主人公に声をかけられたら「もしかしたら…?」と思ってしまいますし(あの時の平君のにやけ顔が好きです笑)、学年演劇のストーリーでも「もし僕が主役だったら…」と妄想します。ほかにも、彼の妄想エピソードは所々に散りばめられているので、意識しながらプレイしてみてください。

 

3.全力になることで見えてきたもの

さて、平君ルートの最大の鍵になるであろう「全力」について語ろうと思います。

彼は3年目1学期の始業式の日に、主人公に対し「今年は頑張ってみようと思う」と宣言します。そう、3年目にしてついに平君は主人公に対し本気になろうと決意したのです。2年目は修学旅行で一緒に写真を撮ろうと誘ったり、下校に誘ったり結構行動に移してはいましたが、まだ気持ちが弱かったのかいろんな邪魔が入り、ほとんど失敗に終わってしまいます。2年目1月には三度目の正直なのか、偶然にも何の邪魔も入らず主人公と一緒に帰ることができるのですが、この時点では単なる偶然に過ぎないのかな、とも思えます。でも、この成功経験が、「最後の1年間は全力になる」と決意させた一つの要因なのかなぁとも思います。

全力になる、と決意したものの、フォークダンスでは結局一緒に踊ることはできず…。全力になったからと言ってすべてうまくいくわけではない、という現実を突きつけられます。でも3年目のフォークダンスではすごく潔いんですよね。この潔さは、本気になったが故のものなんじゃないかと思っています。全力でやっていく、という決意をしたからこそ、まだチャンスはあると考えることができ、あの潔さにつながったのではないのでしょうか。

そして…3年目の文化祭、学園演劇で平君の全力の気持ちが実を結び、彼の人生を大きく変えていきます。ヒロイン役に抜擢された主人公を全力でサポートすると言って、クラス全体を盛り上げる平君。ここの彼、本当に素敵なんです。もう、クラスの中心人物やん!と言いたくなります。全力の姿勢がここまで人を変えるんだな、と感動します。全力で演劇の準備を進める平君ですが、途中で大きなトラブルが起き、これがさらに彼の運命を変えていきます。主役の田中君(←誰?)がケガをし、代役が必要となりました。そこで、主人公と同じクラスから代役を出したほうがいいということで、主人公と平君のクラスの中から代役を決めることになるのですが、ここで平君が代役をやります!と名乗り出るのです。なんと、この時すでに、平君はセリフを完璧に覚えていました。「もし俺が主役だったら…」と妄想しながら演劇練習を見て、こっそり自宅で練習していた平君。妄想とは言え、主人公への本気の気持ちがあったからこそ、完璧にセリフを覚えられたのだと思います。裏方としてただ漠然と演劇練習を見ても、セリフは覚えられません。意識して見ないとセリフの完コピは実現できないことです。学年演劇で平君は見事に主役を演じ、更に、主人公をしっかりとサポートすることもできました。主人公もこの平君の姿勢に大きく心を動かされたのではないでしょうか(私は、「平君…好き…」となっていました笑)。

この後、平君はまた厳しい現実を突きつけられ、主人公を避けることになるのですが…その辺の話はぜひプレイして楽しんでください(とても切ない気持ちになります泣)。あと、余談にはなりますが、平君の学年演劇の演目は『シンデレラ』です。これ…実はGS1の王子である葉月珪くんと同じ演目なんですよね。対比して見ることができると思うので、葉月君を攻略してから平君ルートを楽しむ、というのもオススメです!

とにかく、本気になることで行動も見え方も色々変わる…というところが3年目のストーリーのミソかなと思います。

 

4.「触れる」演出

平君ルートは「触れる」演出が見事です。GS3はDS版が先に発売されたのですが、「スクリーンタッチ」機能のあるDSの良さを見事に生かしたキャラで、システムやストーリーに見事に生かされています。彼は、背景をタッチすることで登場させることができます。主人公が「触れること」で二人の物語が紡がれていくわけです(素敵!)。平君の登場条件を知ったとき、本当に感動しました。

シナリオも見事で…フォークダンスでは主人公に触れることができなかった平君。でも平君は全力になることを決意し行動することで、見事に学年演劇で主人公の手を取って「踊る」ことができるのです。この、距離が近づいていく感じ、幸せを努力でつかみ取っていく感じが最高です!

そして、告白でも「触れてくれてありがとう」というセリフがあって…もうここで全てが繋がって涙します。演出が完璧すぎる…。

 

5.さり気ない優しさ

平君ルートの魅力は概ね語りました。本気になった彼の魅力を語ってきましたが、平君はもともとというか、すごく根がいい子で優しい子なんですよね…。彼の優しさを感じるエピソードは色々あるので、一部を箇条書きで紹介します👇

 

定期テスト期間中、筆記具を貸してくれた主人公に対し「これから余分に持っておくからさ」

・空腹で倒れていた桜井琉夏にパンをあげる(桜井兄弟の間では琉夏を救ったヒーローとして認識されている笑)

・修学旅行時、自分より先に花椿カレンさんのお願いを優先して写真を撮ってあげる

・文化祭当日、緊張している主人公に対し「俺も頭からセリフが漏れてきそう」とユーモアを交えて主人公の不安を取り除く

 

いかがでしょうか。主人公は平君に対し「ホッとする人だな」と思っているのですが、それは桜井兄弟のような奇抜さや危うさをもっていないことに加え、こういう平君の優しさに気付いていたからじゃないかなぁ、と勝手に推測しています笑

 

6.告白

冒頭でも述べましたが、平君の告白は本当に素晴らしいです。今まで書いてきた魅力が過不足なくギュッと告白シーンに詰め込まれています。彼のさりげない優しさも、全力の気持ちも感じられる素晴らしい告白です。ぜひ、この考察文を読んで、再度シナリオを追ってからもう一度平君の告白シーンを見てほしいです。私は何度見ても泣いてしまいます…!!

 

本気になることで変わる運命、絶妙な距離感、さりげない優しさ、偶然と必然…いろんな要素が見事に調和した素晴らしいストーリー。ため息が出てしまうほどの見事なまでの完成度。ぜひ平君ルートを皆さんに楽しんでほしいです…!

ああ…!平君とデートしたいなぁ!!(心の叫び)

 

というわけで、今回の考察はここまでにしておきます。

最後まで読んでくださってありがとうございました!!!