さて、今回は考察するのはGS1の後輩キャラ日比谷渉くん。
彼は「イメチェン?」という髪型変更スチルがあるからか、髪型について何かとよく言われている印象です。
日比谷君は私のGS1最推しキャラで、ダサいと言われがちな日比谷君のいつもの髪型(角刈り)を愛してやまない人間です。この髪型には日比谷君の色んな思いが詰まっているんだよ~~~ということを伝えたくて、記事にしてみました。
日比谷君のいつもの髪型が好きになると同時に、日比谷君の魅力に気付いてもらえたら嬉しいです!!
- 1.イベント会話を振り返ってみよう
- 2.”自分の思い”と”他者の評価”
- 3.”いつもの髪型”に戻した理由
- 4.本当の”カッコ良さ”への気付き
- 5.まとめ「いつもの髪型(角刈り)に込められた思い」
- ~おまけ:「金閣寺のペナント」について~
1.イベント会話を振り返ってみよう
2.”自分の思い”と”他者の評価”
髪型を変えるということは、外見を変えるということです。もっと言えば、髪型を変えることで外見を変えることはできますが、外見が変わるだけでそれと同時に内面まで変わることはあり得ません。もちろん、外見を変えることで自他ともに何らかの心理的作用が働き、内面が変わっていったり、”自己の人間性”に対する周囲からの評価が変わっていったりする可能性は十分にあり得ます。何が言いたいかというと、「他者からの評価は外見で簡単に変わる可能性のある頼りないものであり、外見で評価されることが自己肯定・自己実現に繋がる訳ではない」ということです。つまり、後輩から「カッコイイ」という評価を受けても、それによって日比谷君自身が満足するか、と言われれば、必ずしもそうとは限らないということです。
また、今回の場合は後輩に髪型を整えてもらったという経緯があります。それはつまり、この髪型にすることに日比谷君自身の”意思”は殆どない、と考えてもよいかと思います。「後輩たちは、"カッコイイ"って言ってたんスけど。」と言っているように、髪型を変えて変えて”カッコイイ”と思っているのは、このイベント時点では後輩だけであって、日比谷君自身がこの髪型を心からカッコイイと思っているわけではない、ということができると思います。
3.”いつもの髪型”に戻した理由
「先輩!ちょっと待っててください!」と言って、いつもの髪型に戻し再び主人公の前に現れた日比谷君。その行動にはどのような意味があったのでしょうか。
①後輩にカッコいいと言われて浮かれていると思われたくなかった。
「あの、この髪型……先輩はどう思いますか?」と、後輩に変えてもらった髪型をどう思っているか聞く日比谷君に対して、主人公は「よかったね、後輩たちにモテモテで。」と髪型について触れない返答をしています。いつも思うのですが、この返し、かなり意地悪ですよね笑 日比谷君は髪型についての主人公の感想を純粋に聞きたかっただけにもかかわらず、後輩に”カッコいい”と言われて浮かれている…みたいに言われているのですから…。でも、恋愛ゲームとしてはこれが正解だったのかもしれないとも思います。主人公はあくまでも”プレイヤー”なので、製作者側の感覚で「こっちの方がカッコイイ」と言い切ってしまうと、プレイヤーと主人公が切り離されてしまう恐れもあります。「いつもの髪型のほうが好き!」と思っている方もいらっしゃると思うので、日比谷君の髪型に対する評価を保留したのは、個人的にはいい判断だったのではないかと思っています。その代償として、少々棘のある言い回しになってしまいましたが…。
少し話がずれてきたので軌道修正します。日比谷君は主人公から「良かったね、後輩たちにモテモテで」と言われて浮かれていると思われていると解釈してしまったから、「そういうつもりじゃない」という気持ちで髪型を戻した、と考えることができるかと。そこで注目したいのは、このイベントの発生条件。好感度「友好以上」。つまり、主人公という存在が日比谷君にとって特別な存在になりかけている、恋心を抱きかけている、あるいは抱いているという状態だと推察できます。好きな人に異性の後輩から褒められて浮かれているとは思われたくない、と思うのは自然なことじゃないかな、と思います。もっと言えば、日比谷君がいつもの髪型に戻すことは、「主人公へのまっすぐな思い」とも受け取れますし、「後輩より主人公からの評価の方が大事だ」と言っているようなものだと受け取ることもできます。こう考えると、すごくかわいく思えませんか??さあ、ここで心が動いてきた人はもう日比谷君沼の一歩手前です笑
②後輩に変えてもらった髪型に自分の意思がないことに気付いた
いつもの髪型に戻した日比谷君に主人公が「さっきの髪型、やめちゃうの?」と聞くのに対し、日比谷君は「あ、もういいんス。やっぱジブンには、こっちのほうが似合うんで。」と返します。このセリフから、後輩に変えてもらった髪型が良かったかどうかは置いといて、やはり今の自分にはいつもの髪型が相応しい、と思っているのではないかと推察できます。髪型を戻した後の一発目のセリフ「日比谷渉、参上!」にも日比谷君の気持ちが表れているような気がしています。ここであえて自分のフルネームを言ったのは、この髪型が「本来の自分」の姿なのだ、と自覚したからではないでしょうか。本来の自分を取り戻したということで「日比谷渉、参上!」と言ったのではないかと私は考えています。つまり、日比谷君にとって後輩に整えてもらった髪型は、自分にとって自然な状態ではない、と主人公とのやり取りを通して気付かされたということでしょう。前に述べた、「”自分の思い”と”他者の評価”への気付き」があり、自分が求めている”カッコよさ”はこういうこと(後輩の思うカッコいい髪型にすること、外見を変えること)ではないと思ったからこそ、今の自分に相応しい(落ち着く)と感じるいつもの髪型に戻した、と私は考えています。角刈りはスポーツをするのに適した髪型でしょうし、この髪型には日比谷君の歴史が刻まれているとも言えます。だからこそ、角刈りが落ち着くのでしょう。
4.本当の”カッコ良さ”への気付き
「カッコイイとは何か」これが日比谷君ルートの大きなテーマかと思っています。
ただカッコイイ人の真似をしたり、他者からの評価に流されステレオタイプ的な「カッコよさ」や「男性らしさ」を取り入れたりすることで、本当の意味でのカッコよさは身につけられません。告白EDでもわかるように、日比谷君は最終的に「一生懸命打ち込んでる姿」にカッコよさを見出しています。自分の中で、この「イメチェン?」イベントは、本当のカッコよさに気付くための一つの過程だったのだという認識です。日比谷君が主人公に対して特別な感情を抱いていたからこその学びでしょう。
5.まとめ「いつもの髪型(角刈り)に込められた思い」
さて、では今回の考察のまとめに入っていこうと思います。
もうここまで読んでくださった方は、日比谷君のいつもの髪型がとても愛おしく見えるようになっていることでしょう(そうだと嬉しい←)。
〇なぜ、いつもの髪型に戻したのか〇
・後輩の手によって作られた髪型には日比谷君自身の意思がなく、また後輩にとっての「カッコイイ髪型」でしかないから。
・後輩の評価よりも、主人公の評価の方が大事だという思いから。
・主人公に対して抱いている特別な感情を示すため(日比谷君なりの真摯な態度)。
・自分にとって自然な(落ち着く)髪型であるため。
ああ、素晴らしい!!かわいい!!愛おしい!!
この記事の内容は単なる私個人の考察でしかないのですが、こう考えてみると日比谷君のいつもの髪型がすごく愛おしく感じられるのではないかと思います。
彼は不器用な子なんですが、主人公に対しても自分の夢に対してもすごくまっすぐなんです。スマートさには欠けますが、こうやって失敗を重ねつつ彼はどんどん魅力的な人間になっていくのです。将来性しか感じません!!!
最後に一つ言っておきたいのは、この記事は「イメチェン?」イベントの髪型よりいつもの髪型のほうがいい!!と言っているわけではない、ということ。このイベントでは日比谷君はいつもの髪型に戻す決断をしましたが、今後彼はどんどんいい意味で成長していくでしょうし、その過程で彼に相応しい髪型というのは変化していくものだと思っています。日比谷君がいつもの髪型以外の髪型に自らの意思で変えていくことも十分にあり得るかと思っています。私は日比谷君がどんな髪型であれ彼を好きな気持ちは変わりません…!!以上。
~おまけ:「金閣寺のペナント」について~
「イメチェン?」イベントの最後に、日比谷君は修学旅行のお土産として、主人公に「金閣寺のペナント」をプレゼントします。ペナント集めが趣味の日比谷君。自分の好きなものをプレゼントするあたりとても彼らしいなと思ってホッとします。「金閣寺のペナント」にはそんな彼らしさの出た「等身大」の日比谷君を表現しているような気がしています。
また、なぜ”金閣寺”を選んだのか。これについて少し考えてみたのですが、三島由紀夫の『金閣寺』という小説と何か関係があったりするのかな、と推測しています。読んだことがないので詳しくは分かりませんが、どうやらこの小説の主人公は金閣寺を「精神的な美の象徴」として考えているようです。もしかすると、金閣寺は「日比谷君にとっての主人公」を指しているのかもしれないですし、日比谷君の思う「カッコよさ」を指しているのかもしれません。「主人公に対する憧れ」と「カッコよさへの迷い」が、この「金閣寺のペナント」に表れていると考えると、なんかいいですね笑