はばたき情報局

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【平健太】「全力」になることで見えるもの【考察】

GS3の隠しキャラの一人、平健太くんの考察をしていこうと思います。

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平健太くん、個人的にすごく見た目が好きなキャラなんですよね。こういう特徴らしい特徴はないけど、清潔感があって等身大の高校生って感じがすごく好感持てるというか…。そして、GSシリーズの中でも告白シーンが特に素晴らしい。Twitterでは何度も言ってきましたが、私は平君の告白が一番好きです。

 

前置きはこれくらいにして、考察に入っていきますね。

 

 

1.「普通」という安心感

平君は、乙女ゲームの攻略キャラにしては珍しい、見た目・運動・学業どれをとっても普通な子で、GS1の色様のように性格が突き抜けているわけでもありません。本人もそれを自覚していて、「普通」が嫌だと思っているわけではなく、逆に居心地の良さを感じています。なんとも、今の日本人らしい…笑 普通であれば、変に期待も心配もされず、目を付けられることもないので、気が楽なのでしょう。下ではないので、何とか自己肯定感は保てるし、他者に劣等感を抱くことがあっても「普通」であることを理由にそのネガティブな感情に蓋をすることができるのでしょう。定期テストでは「ちょうど真ん中になれたよ」と言っていて、居心地の良い「普通」の階層にいることに強くこだわっている印象も受けました。それを聞いたバンビは「面白いね」というのですが、平君は「面白いと思ってもらえた」と喜びます。この辺も実に人間らしいですよね。普通であることを望んでいるのに、「面白い人」でもありたい、という…。口では「普通がいい」と言っていても、自分より能力の高い人を見ると嫉妬する気持ちが生まれてきて、心のどこかで「自分も特別な存在になりたい」と思っている。矛盾しているようですが、こういう人たくさんいるんじゃないかなぁ、と思います。

 

2.普通であるからこそ、妄想に浸ってしまう

平君を語る上で、「妄想」というのも「全力」に次ぐ重要なキーワードになのではないかと思っています。

前述しましたが、平君は普通であることの心地よさを知っており、普通の位置を維持したいという気持ちもありつつ、でも心のどこかで不安や嫉妬も感じているのではないかと私は考えています。その不安や嫉妬の一番の原因は…もちろん主人公です。入学式の日、主人公に一目ぼれしてしまってから、「ローズクイーン」になる資質を持った主人公に対し平君は自らの立ち位置を意識せざるを得なくなります。その結果が、「妄想」です。”高嶺の花”と普通な自分(その他大勢の一人)…この釣り合わなさと、普通であることから抜け出すことへ恐れが、妄想という行為に繋がっていくのです。

バレンタインの日、主人公に声をかけられたら「もしかしたら…?」と思ってしまいますし(あの時の平君のにやけ顔が好きです笑)、学年演劇のストーリーでも「もし僕が主役だったら…」と妄想します。ほかにも、彼の妄想エピソードは所々に散りばめられているので、意識しながらプレイしてみてください。

 

3.全力になることで見えてきたもの

さて、平君ルートの最大の鍵になるであろう「全力」について語ろうと思います。

彼は3年目1学期の始業式の日に、主人公に対し「今年は頑張ってみようと思う」と宣言します。そう、3年目にしてついに平君は主人公に対し本気になろうと決意したのです。2年目は修学旅行で一緒に写真を撮ろうと誘ったり、下校に誘ったり結構行動に移してはいましたが、まだ気持ちが弱かったのかいろんな邪魔が入り、ほとんど失敗に終わってしまいます。2年目1月には三度目の正直なのか、偶然にも何の邪魔も入らず主人公と一緒に帰ることができるのですが、この時点では単なる偶然に過ぎないのかな、とも思えます。でも、この成功経験が、「最後の1年間は全力になる」と決意させた一つの要因なのかなぁとも思います。

全力になる、と決意したものの、フォークダンスでは結局一緒に踊ることはできず…。全力になったからと言ってすべてうまくいくわけではない、という現実を突きつけられます。でも3年目のフォークダンスではすごく潔いんですよね。この潔さは、本気になったが故のものなんじゃないかと思っています。全力でやっていく、という決意をしたからこそ、まだチャンスはあると考えることができ、あの潔さにつながったのではないのでしょうか。

そして…3年目の文化祭、学園演劇で平君の全力の気持ちが実を結び、彼の人生を大きく変えていきます。ヒロイン役に抜擢された主人公を全力でサポートすると言って、クラス全体を盛り上げる平君。ここの彼、本当に素敵なんです。もう、クラスの中心人物やん!と言いたくなります。全力の姿勢がここまで人を変えるんだな、と感動します。全力で演劇の準備を進める平君ですが、途中で大きなトラブルが起き、これがさらに彼の運命を変えていきます。主役の田中君(←誰?)がケガをし、代役が必要となりました。そこで、主人公と同じクラスから代役を出したほうがいいということで、主人公と平君のクラスの中から代役を決めることになるのですが、ここで平君が代役をやります!と名乗り出るのです。なんと、この時すでに、平君はセリフを完璧に覚えていました。「もし俺が主役だったら…」と妄想しながら演劇練習を見て、こっそり自宅で練習していた平君。妄想とは言え、主人公への本気の気持ちがあったからこそ、完璧にセリフを覚えられたのだと思います。裏方としてただ漠然と演劇練習を見ても、セリフは覚えられません。意識して見ないとセリフの完コピは実現できないことです。学年演劇で平君は見事に主役を演じ、更に、主人公をしっかりとサポートすることもできました。主人公もこの平君の姿勢に大きく心を動かされたのではないでしょうか(私は、「平君…好き…」となっていました笑)。

この後、平君はまた厳しい現実を突きつけられ、主人公を避けることになるのですが…その辺の話はぜひプレイして楽しんでください(とても切ない気持ちになります泣)。あと、余談にはなりますが、平君の学年演劇の演目は『シンデレラ』です。これ…実はGS1の王子である葉月珪くんと同じ演目なんですよね。対比して見ることができると思うので、葉月君を攻略してから平君ルートを楽しむ、というのもオススメです!

とにかく、本気になることで行動も見え方も色々変わる…というところが3年目のストーリーのミソかなと思います。

 

4.「触れる」演出

平君ルートは「触れる」演出が見事です。GS3はDS版が先に発売されたのですが、「スクリーンタッチ」機能のあるDSの良さを見事に生かしたキャラで、システムやストーリーに見事に生かされています。彼は、背景をタッチすることで登場させることができます。主人公が「触れること」で二人の物語が紡がれていくわけです(素敵!)。平君の登場条件を知ったとき、本当に感動しました。

シナリオも見事で…フォークダンスでは主人公に触れることができなかった平君。でも平君は全力になることを決意し行動することで、見事に学年演劇で主人公の手を取って「踊る」ことができるのです。この、距離が近づいていく感じ、幸せを努力でつかみ取っていく感じが最高です!

そして、告白でも「触れてくれてありがとう」というセリフがあって…もうここで全てが繋がって涙します。演出が完璧すぎる…。

 

5.さり気ない優しさ

平君ルートの魅力は概ね語りました。本気になった彼の魅力を語ってきましたが、平君はもともとというか、すごく根がいい子で優しい子なんですよね…。彼の優しさを感じるエピソードは色々あるので、一部を箇条書きで紹介します👇

 

定期テスト期間中、筆記具を貸してくれた主人公に対し「これから余分に持っておくからさ」

・空腹で倒れていた桜井琉夏にパンをあげる(桜井兄弟の間では琉夏を救ったヒーローとして認識されている笑)

・修学旅行時、自分より先に花椿カレンさんのお願いを優先して写真を撮ってあげる

・文化祭当日、緊張している主人公に対し「俺も頭からセリフが漏れてきそう」とユーモアを交えて主人公の不安を取り除く

 

いかがでしょうか。主人公は平君に対し「ホッとする人だな」と思っているのですが、それは桜井兄弟のような奇抜さや危うさをもっていないことに加え、こういう平君の優しさに気付いていたからじゃないかなぁ、と勝手に推測しています笑

 

6.告白

冒頭でも述べましたが、平君の告白は本当に素晴らしいです。今まで書いてきた魅力が過不足なくギュッと告白シーンに詰め込まれています。彼のさりげない優しさも、全力の気持ちも感じられる素晴らしい告白です。ぜひ、この考察文を読んで、再度シナリオを追ってからもう一度平君の告白シーンを見てほしいです。私は何度見ても泣いてしまいます…!!

 

本気になることで変わる運命、絶妙な距離感、さりげない優しさ、偶然と必然…いろんな要素が見事に調和した素晴らしいストーリー。ため息が出てしまうほどの見事なまでの完成度。ぜひ平君ルートを皆さんに楽しんでほしいです…!

ああ…!平君とデートしたいなぁ!!(心の叫び)

 

というわけで、今回の考察はここまでにしておきます。

最後まで読んでくださってありがとうございました!!!