はばたき情報局

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氷室零一と「調和」【考察】

今日、氷室先生の攻略をしていたのですが、2回目のドライブデート(二人きりの課外授業)で、個人的に気になる会話があったので、軽く掘り下げていこうかなと思います。

 

まず、どのような会話だったのか、内容を載せておきます。

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氷室「私の運転はどうだ」

主 「先生はドライブが好きなんですね」

氷室「ああ、好きだ……ドライブはいい。運転に集中していると、自分がマシンの一部になった気がする」

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ちなみに、「先生はドライブが好きなんですね」は好印象(〇評価)を与える選択肢です。

この氷室先生のセリフ、個人的にすごく深いな、といいますか、彼の人となりを見事に表現しているように思ったんですよね。というわけで、自分なりの考察を書いていきますね。

 

まず、車(何か)と一体になれる幸福感。氷室先生はドライブ(運転)だけではなく、車自体も好きなのかな、と思います。それは「スピード注意」というイベント(下の画像参照)からある程度読み取れるかと思いますので、確認してみてください。

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氷室先生は「調和」を大切にしている人です。吹奏楽部でもよく「(完全な)調和」を部員に求め、それを実現するための指導をされています。調和は、一つ一つの、全ての”部品”がうまく機能した(能力を発揮した)時に起こります。100の内99の部品が大丈夫でも、1つの部品が故障しているとダメなわけです。下手すると動かなくなることすらあります。吹奏楽でも、一つの楽器がリズムを崩したり、他の楽器との音量差が大きくなり変に目立ってしまったりすると、曲の流れが遮られたり、観客に与える曲の印象を変えたりします。調和というものは、全体の内一つでも欠けるとダメになってしまうとても難しいものなのですが、逆に言えば、難しいからこそ達成できた時の感動は大きい。調和し洗練された音楽というものは、聴く者(あるいは演奏する側でさえ)を感動させますよね。氷室先生が「調和」を好み、求めるのは、そんな喜びがあるからです。全体としての喜びはもちろん、「個がちゃんと機能している」という意味での喜びもあるのでしょう。だから、マシンの一部になった気になれるドライブ、しかも大好きな車の一部になれているという感覚を持てるドライブが好きなのでしょう。

「調和」という言葉、氷室先生を語る上での重要なキーワードな気がしてきました。教育面でもそうですよね。彼はよく「氷室学級」という言葉を使います。いつも学級の成功・成長を願っている。そして、そのために個々の能力を最大限に発揮できるように生徒一人一人と真剣に向き合い、指導している。学級ばかりを見て、個を無視することなく、きちんと個も大切にしている。それが、氷室先生の魅力的なところだなと思います。

 

しかしながら、氷室先生の考える「調和」は少し限定的だったりするんですよね。そのことに先生自身が気付いていく過程に、氷室先生ルートの真の面白さがあると考えています。

氷室先生の考える「調和」というものは、あくまで氷室先生が思う最良の形としての調和であって、そこには多様性があまりないのではないか、と私は思っています。だからこそ、彼は周りから「堅物」だという評価を下されてしまうのだと思います。氷室先生には「明確な理想像」「完璧なイメージ」があります。これが正しくて、こういうのが美しい、というはっきりとした基準を持っています。特に初期の氷室先生は、自身の思う善悪や美しさの基準に従い、自分の思う調和を作ろうとしているように見えるのです。どう言えばいいかな…氷室先生は100%にする力を持っているけど、それ以上にする力を持っていないと表現すればわかりやすいですかね。理想やイメージが出来上がりすぎて、それ超えられるものを作ることができない、そんな感じです。

そんな氷室先生の前に主人公が現れるわけです。主人公は氷室先生の今まで作り上げてきた常識や基準を壊してきたり、超えてこようとします。氷室先生はそんな主人公に動揺するのです。でも、氷室先生は自分の理想を押し付けて、完全に生徒を抑圧しようとはしません。氷室先生は堅物でありながら「個を大切にする(信頼し、伸ばす)」という絶対的な価値観(教育観)も持ち合わせているから、動揺しながらも生徒(主人公)の可能性にかけようとします。そこが氷室先生の素敵なところですよね。

 

んー、自分に文章力がなくて、収拾つかなくなってきた感じが…。すみません💦

ちょっと、まとめてみます。

氷室先生の「ああ、好きだ……ドライブはいい。運転に集中していると、自分がマシンの一部になった気がする」というセリフは、自分の思い描くもののその一部になれている、という意味での調和なんだと思います。自分の予想通りになる、想像通りに事が運ぶということは、自己コントロール感につながるので、それは非常に心地の良いものだと思います。彼は今までこういう人生を歩んできて、自己実現できている感覚を味わっていたからこそ自分の生き方に疑問を持つことがなく、これほどまでに堅い人間になったのかもしれません。もともと几帳面でまじめな性格だったというのもあります。

しかしながら、世の中にはそれ以上の調和の可能性をたくさん秘めています。氷室先生は主人公と出会うことで、自分の想像を外れていくという不安感や動揺がありながらも、主人公や生徒を信じ、対話してく中で、自分が思っていた以上の調和の形があることに気付いていくのです。教育に真摯だからこそ、戸惑いながらも自分の想像の域を超えるということに挑戦できたのでしょう。彼のまじめさ、堅さがいい方向で生かされたなぁと思いますね。

 

私の力不足でちゃんと伝えられたか分からないのですが、少しでも氷室先生の良さが伝わったなら幸いです。

GS教師陣の考察は、また別の形で深めてまとめていきたいと思っているので、お楽しみに!笑

それでは皆さん、よきGSライフを!!🚙