はばたき情報局

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GSアンソロジー寄稿作品『きらきら』(遊×主)の裏話的なものと恋愛感情について思う事

Winged Memory様のGSアンソロジー『カラフルメモリーズ』に寄稿させていただいた、音成遊くんのお話の裏話的なものをだらだらと書いていこうと思います。

 

☆テーマ「色」について。

今回のアンソロジーのテーマが色という事で、何色を持ってこようかと悩んだのですが、結局いい感じの題材が見つからなかったので、特定の色に絞らず、作中で様々な色を散りばめるという形にしました。

”色”と言っていいのか分からないのですが、「色彩が鮮やかになる」ということを主題にして書こうと思い、タイトルを『きらきら』に。恋愛に限った話ではないのですが、好きな人と一緒にいるとき、自分の気持ちが晴れやかな時、何かに夢中になっているとき…そういう何らかの幸福感に浸っているとき、目に映るものの色彩がいつもより鮮やかに見える感覚が、自分にはあります。いつも見てるはずの景色なのに、「あれ?なんだか今日はすごく綺麗に見える」と思うときがあるんですよね。不思議です。逆に、気持ちが沈んでいるときは、色の彩度が下がってしまう感覚があります。それ以前に、気持ちが内面に向かいすぎて、景色や物を認知することすらできないときもあったり…。灰色で無機質な世界に身を置いているような、そんな感覚です。

人は、何かに興味をもつと、その興味に合ったものを自然と見るようなる、という性質があります。情報の選択を効率よく行うようになる、と捉えることもできます。無我夢中になると周りが見えなくなる、というのもそういうことです。ファッションや化粧品にあまり興味のなかった主人公(作中では「海野あかり」という名前にしています)が、なぜか急に服や化粧品に惹かれる様子を描きました。これは服や化粧品に急に興味を持ったというのではなく、「音成遊」を無意識ながら、心のどこかで意識し始めたことから服や化粧品に興味が向いていった感じ。服選びの時に、友達の西本はるひに指摘されたように、自然と「言葉」にも表れています。音成遊から言われた「かわいい」にも今まで抱いたことのない感覚を主人公は覚えます。

いつもなら何とも思わない景色や言葉にどこか惹かれてしまう、そんな不思議な感覚を覚え、そしてそれらがきらきらしているように見える(聴こえる)という感覚を、恋愛感情の一つとして表現してみた感じです。

 

☆何を書きたかったのか。

遊くんに「好きな人と景色を一緒に見ることの素晴らしさ」を知ってもらいたい、そういうお話を書きたい、というのが一番にありました。遊くんED2の条件を満たすと、卒業式前に遊くんと遊園地デートをすることができます。「最後はやっぱり観覧車」と遊くんは言うのですが、観覧車に乗り終わった後、「何が面白いのか分からない」みたいなことを言います。「デートの最後は観覧車」というのは何かの雑誌から得た情報だと思うのですが、遊くんはまだ一緒に同じ景色を見ることがどれほど素敵なことなのか分からない様子。個人的に観覧車だったり、景色を見ることが大好きなので、遊くんにその魅力を知ってもらいたいという気持ちがあり、臨海地区のデートで、最後にはばたきタワーで夜景を見るという展開にしました。

幸福感って色々ありますよね。少なくとも「楽しさ」「面白さ」からだけくるものではないと思っています。何ともない平凡な日常にもふっと幸福感を感じることもあります。ときには「苦痛」から幸福感が生まれる場合もあります。何も話さなくても、ただ一緒にいるだけで、言葉を交わさなくても、身体を少しふれ合わせるだけで幸福感を得られることもあります。「愛してる」とか「好き」とかありきたりな言葉はなるべく使わないようにしたのも、そういう意図があったりします。好きの表現とか、幸福感ってもっと多様でいいと思うんですよね…。

 

☆自分の思う恋愛感情について。

僕には恋愛感情がどういうものなのか、未だにはっきりとわかっていません。恋愛感情が分からないにもかかわらず、恋愛ゲームをやっているちょっと変わった人間です。正直、共感できない部分はたくさんあります。しかしながら、それ以上にときメモGSのシステムやキャラクターが魅力的過ぎるので、楽しめています。

恋愛感情が分からないので、恋愛系の話を書くのにいつも苦労します。今回はこの話を書くために、色んな人に「どういうときに相手を恋愛的に「好き」だと思う?」という質問をしてきました(迷惑な人間…)。「その人のことを見たり考えたりすると心拍数が上がる」「自然と目で追ってしまう」「触れたいと思う」…こんな感じの意見が多かったように思います。これを恋愛感情と言うのであれば、僕はやはり恋愛感情を持ったことはありません。こういった身体症状や衝動は確かに、恋愛感情なのかもしれません。しかしながら「愛」にこれらの要素が絶対に必要かと言われれば、そうではないのかな、と個人的には思っています。

長年付き合っていたり、結婚生活を送っている人を見ると、「心拍数が上がる」とか「自然と目で追ってしまう」とか、そういうのって薄れてきているように思います。ドキドキ感が薄れてしまうことで、「愛されていない」と思い、冷めた夫婦生活を送っている人もいれば、ドキドキ感がなくても「愛」を感じ、幸せな夫婦生活を送っている人もいます。多分、一般化された分かりやすい愛情表現だけを重視している人は、幸せになれないんじゃないかなぁ、なんて勝手に思っています。「何を書きたかったか」の部分でも述べましたが、幸福や愛情表現ってもっと多様でいいと思うのです。その多様な愛や幸せをどれだけ日々のかかわりや暮らしの中から感じ取ろうとするか、その姿勢が一番大事だと思いますし、それこそが「愛」なんじゃないかなぁ、と現時点では思っています。

僕が恋愛において必要だと思う事

・相手のありのままを見る努力。(恋愛をすると盲目的になり、相手を自分の理想の人物であると思い込もうとする傾向にある。)

・相手を信頼し、相手が変化しても受容し、長期的な関係を築けるような工夫ができる。(人は変化し続ける生き物です)

・相手の良いところや日々の生活の中にある幸福を見つける感度を高める。(一般的に語られる愛や幸福に縛られず、「愛にできることはまだあるかい」と問い続ける←RADWINPSの名曲)

・自己肯定感を高め、自由に生きること。(お互いに自分を認めないと共依存の関係になって破綻する)

・「一途であること」と「排他的になる」 ことは異なると自覚しておくこと。

ぱっと思いついたのはこのくらいです。他にもあると思うので思いついたら追記します。

遊くんはもしかすると見方によっては主人公に対し盲目的なのかもしれませんが、主人公の「ありのまま」を見て、そのすべてを好きでいてくれてる感じがあるなぁと僕は思っています。そして、絶対的な信頼を寄せているし、良いところを見つけるのもすごくうまい。この子は、良い恋愛をするんだろうな、と思います。どんな主人公でも好きだよ、という感じを作中でも出したつもりですが、伝わったかなぁ。

 

この作品の反省点は沢山あるのですが、恋愛についていろいろ考えたものの、結局「心拍数」や「キス」、「手を重ねる」とか分かりやすいもので表現してしまったなぁ、といったところです。でもまあ、これはこれでありなのかな、とも思っています。情景・心理描写の下手さ、構成力の低さは言わずもがな(笑)

 

いつも通りまとまりのない文章になりましたが、裏話的なものはこの辺で。

 

このアンソロジーはまだBOOTHで購入できると思いますので、興味のある方はぜひご購入下さい。すべて読ませていただきましたが、良作ぞろいです!!

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